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← ブログ一覧|2026年3月30日|読了 約7分

従業者名簿に本籍地の記載は不要?2014年改正後の正しい記載ルール

この記事でわかること

  • ✅ 2014年の風営法改正で「本籍地」が記載項目から削除された経緯
  • ✅ 現在の従業者名簿に必要な記載項目の一覧
  • ✅ 「国籍」の正しい記載方法(日本国籍・外国籍)
  • ✅ まだ本籍地を記載している店舗が多い理由
  • ✅ 不要な個人情報を集めるリスクと注意点

「本籍地」は2014年の改正で記載不要に

かつて、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の従業者名簿には「本籍」の記載が義務付けられていました。 しかし、2014年(平成26年)の風営法改正(2016年6月施行)により、従業者名簿の記載事項から「本籍」は削除されました。 代わりに「国籍(日本国籍を有しない者にあっては、国籍及び入管法に定める在留資格)」が必須項目として追加されています。

この改正の背景には、個人情報保護の観点から不必要な個人情報の収集を抑制する動きがありました。 本籍地は戸籍の所在地を示す情報ですが、従業者の身元確認という目的に対しては、 国籍の確認で十分であると判断されたのです。 また、本籍地の情報は差別的な利用につながるリスクも指摘されていたことから、 記載項目からの削除が決定されました。

重要ポイント

現在の風営法施行規則第25条には「本籍」の文言は存在しません。 古い情報をもとに本籍地を記載し続けている場合、不要な個人情報を収集していることになるため注意が必要です。

現在の従業者名簿の記載項目一覧

風営法第36条は風俗営業者に従業者名簿の備付けを義務付けており、 具体的な記載項目は風営法施行規則第25条に定められています。 現在必要な記載項目は以下の通りです。

No.記載項目備考
1氏名フルネーム
2住所現住所
3性別-
4生年月日18歳未満の就労は禁止
5国籍2014年改正で追加(旧「本籍」の代替)
6採用年月日-
7退職年月日退職後3年間保存義務あり
8従事する業務の内容具体的な業務を記載
9本人確認の日付確認年月日を記録(確認方法の記載は法定外だが推奨)

ご覧の通り、この一覧に「本籍地」は含まれていません。 2014年の改正前のフォーマットをそのまま使い続けている場合は、 記載項目を見直す必要があります。

「国籍」の記載方法

2014年改正で追加された「国籍」は、日本国籍の従業者と外国籍の従業者で記載内容が異なります。 以下の表を参考にしてください。

従業者の国籍名簿への記載内容確認書類
日本国籍「日本」と記載住民票・運転免許証・パスポート等
外国籍国籍(正式国名)+ 在留資格パスポート・在留カード

日本国籍の場合

日本国籍の従業者については、国籍欄に「日本」と記載すれば足ります。 旧来のように本籍地(都道府県〜番地)を記載する必要はありません。 本人確認は、住民票・運転免許証・パスポートなどの公的書類で行います。

外国籍の場合

外国籍の従業者については、国籍に加えて在留資格の記載も必要です。 パスポートまたは在留カードで国籍と在留資格を確認し、正式な国名を記載します。 例:「フィリピン(定住者)」「中国(永住者)」「ブラジル(日本人の配偶者等)」。 国籍の略称(「比」「中」など)は使わず、正式な国名を記載してください。 詳しくは確認書類一覧の記事もご参照ください。

まだ本籍地を記載している店舗が多い理由

2014年の改正から10年以上が経過していますが、いまだに本籍地を記載し続けている店舗は少なくありません。 その主な理由は以下の通りです。

理由1:古いテンプレートを使い続けている

改正前に作成した紙やExcelの名簿テンプレートをそのまま使い続けているケースです。 テンプレートに「本籍地」欄があるため、疑問を持たずに記載を続けてしまいます。 インターネット上にも改正前の古いテンプレートが多数残っているため、 新規にダウンロードしても古い様式にあたってしまう場合があります。

理由2:改正の情報が現場に届いていない

法改正の情報は官報や警察庁の通達で周知されますが、 個々の店舗の現場担当者にまで正確に伝わっていないことが多いのが実情です。 「先輩に教わった通りにやっている」という慣習的な運用が続いているケースも少なくありません。

理由3:「多く書いておけば安心」という誤解

「情報は多いほうが安全」と考えて、不要な項目も記載し続けているケースです。 しかし、後述する通り、不要な個人情報を収集することは個人情報保護法の観点からリスクがあります。 法定項目を正確に記載することが最も適切な対応です。

不要な個人情報を集めるリスク

本籍地の記載が法律上不要であるにもかかわらず収集を続けることには、 以下のようなリスクがあります。

個人情報保護法との関係

個人情報保護法は、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことを制限しています。 風営法上の義務がない本籍地を収集することは、必要な範囲を超えた個人情報の収集にあたる可能性があります。 万が一情報が漏洩した場合、不必要に収集した情報であることが問題を大きくする要因となります。

差別的利用のリスク

本籍地は、出身地に基づく差別に利用される恐れがある情報です。 厚生労働省も採用時に本籍地を尋ねることを不適切な質問として指導しています。 風営法で求められていない以上、本籍地を収集する合理的な理由はありません。

従業者への負担増

本籍地を確認するために「本籍地記載あり」の住民票や戸籍謄本の取得を従業者に求めることは、 法的に不要な手間とコストを負担させることになります。 本人確認書類の提出だけで済む現行ルールのほうが、従業者の負担も軽くなります。

まとめ

2014年の風営法改正により、従業者名簿の記載項目から「本籍地」は削除され、 代わりに「国籍」が必須項目になりました。 現在の法定記載項目は、風営法第36条および施行規則第25条に基づく9項目です。 古いテンプレートや慣習で本籍地を記載し続けている場合は、速やかに見直しましょう。

不要な個人情報の収集は、個人情報保護法の観点からもリスクがあります。 法律で求められている項目を正確に、漏れなく記載することが最善の対応です。名簿不備のよくあるパターンも合わせて確認し、 名簿全体の精度を高めましょう。

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